ツーバイフォー工法

ツーバイフォー工法ってどんな構造?

ツーバイフォー工法は「面構造」

 

ツーバイフォー工法は「床」や「壁」などの「面」で建物を支える「面構造」であることです。ツーバイフォー工法の建築基準法上の名称は「枠組壁工法」というように、ツーバイフォー工法は、床や壁などの各面が構造用製材でつくった「枠組み」に「構造用面材」を接合した強度の高い「版」(ダイアフラム)になっています。

 

ツーバイフォー工法の建物は、強度の高い「床版」・「壁版」など「版」を組んでできる頑強な「六面体構造」(箱構造)。地震や台風などの外力を家全体に分散させます。また、「六面体構造」は気密性も高く、優れた耐火性・省エネルギー性・遮音性などを発揮します。

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「六面体構造」(箱構造)であるツーバイフォー工法の建物は、地震や台風などの外力を床や壁などの各面で支え、バランスよく家全体に力を分散させます。

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ツーバイフォー工法の正式名称は「枠組壁工法」

「ツーバイフォー工法」という名称は、構造材として約2インチ×約4インチの木材(ツーバイフォー材)を多く使用することからきています。日本でのツーバイフォー工法の建築基準法上の名称は「枠組壁工法」です。

ツーバイフォー工法のメリット➀ 耐震性

ツーバイフォー工法は、剛性の高い床版・壁版などを組んでできる強固な「六面体構造」(箱構造)によるツーバイフォー工法の建物は、地質や台風などの力を建物全体で受け止め、荷重を一点に集中させることなく全体に分散させるため、外力に対して抜群の強さを発揮します。また「六面体構造」は、地震で発生する縦揺れ・横揺れのどちらにも強く、ネジレや変形を抑えることで、建物の全半壊を防ぎます。

ツーバイフォー工法は1974年に建築基準法に基づく技術基準が告示され約40年間で280万戸を超えるツーバイフォー住宅が建設されました。この間に阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの大きな自信を経験しましたが、いずれにおいてもツーバイフォー住宅の被害は少なく、卓越した耐震性能を発揮してきました。

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ツーバイフォー工法のメリット② 耐火性

ツーバイフォー工法では、通常、各部屋の壁や天井の内側前面に厚さ12.5mm以上の石こうボードが張られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分間、水蒸気を発散し続けます。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が着火点(約260℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。また、壁や床の内部に施される断熱材も火災時の熱を構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。

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さらにツーバイフォー工法は、火の通り道となる壁や床で枠組材などがファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断。上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。防火被覆(石こうボード)が万一突破されても二重三重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって延焼をくい止めます。

このようにツーバイフォー住宅は火災時の被害を最小限に抑えます。

ツーバイフォー工法のメリット③ 省エネルギー性

ツーバイフォー住宅の独特の「六面体構造」は気密性が高く、優れた断熱性を発揮します。またツーバイフォー住宅では、外気温の影響を受けやすい外壁は、熱を伝えにくい「木材」で作られた「枠組み」に構造用面材(屋外側)と石こうボード(室内側)が張られ、その内部に断熱材が施されます。さらに最上層の天井、1階床内部にも断熱材を効果的に施し、建物全体を断熱材ですっぽりと覆うことで、断熱効果を一層高めています。

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ツーバイフォー工法のメリット④ 遮音性

ツーバイフォー住宅は、独特の「六面体構造」で気密性が高いことや、壁自体が構造用面材や断熱材、石こうボード、外壁材などさまざまな素材によって形成される多重構造であることなどにより、家の内外の音の出入りを抑える優れた遮音性を備えています。

また、ツーバイフォー住宅は、家の内部においても必要に応じ上階の振動伝達を防ぐための吊り天井構造を採用するなど、適材適所に対策を施し遮音性能を高めています。

ツーバイフォー工法のメリット⑤ 耐久性

ツーバイフォー住宅では、構造用製材に含水率10%以下のJASに基づく乾燥材を使用。さらに、さまざまな方法によって万全の湿気対策を行います。湿気や結露への徹底した対策によって、ツーバイフォー住宅は耐久性を確保。永く暮らせる丈夫な住まいを実現します。

また、防湿シートを敷きこむ床下の土壌にはあらかじめ防蟻剤を散布。また土台には薬剤の加圧注入によって防腐・防蟻処理を施した木材を使用します。さらに1階床組みや立ち上がり部分などの主要な木材には防腐・防蟻剤を塗布。こうした2重3重の対策により耐久性を高めています。

ツーバイフォー住宅は進化し続けて累計300万戸

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高性能なツーバイフォー住宅は、安全で快適な住まいとして実績を積み重ね、2020年には累計着工戸数が300万戸を超えました。

ツーバイフォーは「木の建築」木は環境にも、人にもやさしい

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木材は再生可能な循環資材

地球温暖化防止のためには化石燃料の消費による二酸化炭素(CO₂)の放出を減らし、さらに大気中からCO₂を取り除くことに取り組む必要があります。

水や空気など自然の資源と太陽エネルギーをもとに森林で育まれた木材は、再生可能な循環資源です。また、一度利用された木材を新たな製品の材料として利用するなどリサイクルも可能です。使用後の廃材をエネルギーとして活用すれば、化石燃料の消費を抑制することにもつながります。

さらに、木はCO₂を吸収して樹体内に炭素(C)として貯蔵し、製材後も炭素をストックし続けるので、木材を使ったツーバイフォー住宅を建てて暮らすことは、CO₂の削減に寄与することになります。一方、森林は自然のままに放置すると植生の変化や自然災害などの影響を受けるため、木を計画的に伐採し、適正な環境を維持することが大切です。

木は湿気を調節

天然の素材である木は、建材として住宅に使われても本来の性質である調湿作用は残っています。そのため室内の湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には水分を放出します。